Interview with APOTHIA(クリエイティブディレクター / Ron Robinson氏)

アメリカ / ロサンゼルスのライフスタイルを表現した美しい香りが揃うフレグランスブランドAPOTHIA(アポーシア)。

ブランドの創業者であり、現在もAPOTHIAのブランドオーナーであり続けるRon Robinson(ロン・ロビンソン)に、APOTHIAのヒストリーや香りへの想いについてインタビューしました。

 

Q1.あなたの生い立ちや、バックグラウンドについて教えてください。

 A.私はテキサス州エルパソで生まれ、父と母、そして4人の兄弟がいます。
アパレル関係の小売業を営んでいた両親と祖父母の影響もあり、私は1967年に単身ロサンゼルスに移り住みました。その時代は、ファッションや音楽そして社会文化が大きく変化した時で、とても素晴らしい時間を過ごしました。

 

Q2.現在のフレグランス・ブランド作りの生活につながるような環境や、個人的な経験はありましたか?

 A.1978年、フレッド・シーガルで10年近く働いた後、私はシーガルから場所を借りて、メルローズに自分の店舗を開きました。メンズのファッション・アパレルから始まり、ホーム・デザインとインテリア・アイテム、ウィメンズ、そして私がAPOTHIA(アポーシア)と名付けたエリアもありました。

APOTHIAは、コスメティック、ビューティ、ヘアケア、スキンケア、フレグランスを扱う、とても先進的で厳選された小売スペースでした。お店がオープンした当時は、男性と女性のお客さまが一緒に買い物をするようなお店は他になく、その種の店としては初めてのことでした。

数年間この仕事をした後、私は自分たちのフレグランスブランドをプロデュースしたいと思うようになり、2000年にAPOTHIAというブランドを立ち上げ、最初のフレグランスを「IFロールオン」、次いで「IFオードパフューム」と名付けました。

ブランドを代表するIFの香りは、多くのお客さまに気に入っていただき、その後、他のお店からも買いたいという声が多数増えて、とても嬉しかったことを覚えています。

APOTHIAを代表する香り「IF」は、ベルガモット、ゆず、グレープフルーツの柑橘系にガーデニアの香りをブレンドした、”全ての人に愛される”香り。

IFのフレグランスアイテムを見る>

 

2007年、私はAPOTHIA IFを日本の店舗に紹介するために来日しました。 最初は反応が鈍かったのですが、ひとたび人々が香りを試し始めると、さらに認知度が広がり、より多くのお客さまに気に入ってもらえるようになりました。

私は、ロサンゼルスから自分一人で販売することができなかったので、RAZY WORKSと協力して販売することになり、私たちは良きビジネス パートナーになっただけでなく、良き友人にもなりました。これは一緒にビジネスをする上で、とても素晴らしいことです。

 

Q.フレグランスに興味を持ったり、愛着を持つようになったきっかけはありますか?

 A.私の店では、多くの高級ブランドや一流ブランド、小規模でクリエイティブなブランドのフレグランスを販売していました。 私はフレグランスが大好きで、世界最高のフレグランスをセレクトし、店舗で特別な演出をするのが得意でした。 私の顧客は常に新しいアイテムを探していたのがきっかけで、私は、自分たちが責任を持って創り上げたフレグランスが欲しいと思ったのです。それがAPOTHIAの始まりでした。

2019年に41年間の歴史に幕を閉じた、ロサンゼルスの老舗セレクトショップ「フレッドシーガル」のコンセプト「他店に先駆けた米西海岸ならではの洗練されたカジュアルファッション」を守り続けてきた「Ron Robinson」。

 

Q.香りにまつわる個人的な思い出を聞かせてください。

A.私の香りに関して、とても印象的な記憶のひとつは、1950年代半ば、私がまだ幼い頃、祖父が髭を剃るのを見ていた時です。祖父がひげを剃った後に顔にコロンをかけるのが好きで、私はいつもその姿を見ていました。その時使っていた、”Bay Rum(ベイラム)”という香りがとても印象的で、今でも香りを鮮明に覚えています。

 

Q. APOTHIAを開発し、ブランドを育てていく中で、一番強く感じた成功の瞬間はありましたか?

A.2000年の発売当初は、APOTHIAにとってエキサイティングで素晴らしい年でした。

最初に作ったロールオンのボトルは、現在と同じように全て手作業で補充していました。最初のボトルを販売し始めてから、そのボトルの売れ行きが飛躍的に伸びるのを見ることが最も興奮した瞬間です。商品がこんなにも魅了され、ブランドが継続されていることに、23年経った今も喜びが隠せません。

コンパクトで持ち運びに便利なだけでなく、付ける量を調整しやすいロールオンは、オーデパフュームよりも濃厚な香りを楽しめる。

 

Q.ブランドにとって重要な瞬間や転換期はありましたか?

 A.最も重要な瞬間のひとつは、約15年前にAPOTHIAを紹介するために日本に訪れた時です。

1983年以来、私は日本を訪れ、日本から自分の店舗用に数々の商品を仕入れてきました。そこで大切な友人と呼べる人たちに出会い、素晴らしい関係を築くことができました。

2023年にIF日本上陸15周年を記念して販売された、数量限定のガラスボトル。

 

ですが、日本では高級ブランド品は自分用に買うのではなく、贈答用に買うことがほとんどで、日本でフレグランスを販売することはとても難しいことだと言われたのを覚えています。 APOTHIAは、伝統的なフレグランスではなく、新しく、フレッシュで生き生きとし、ロマンチックでファッショナブルなブランドであることを伝えました。

その後、友人たちが販売代理店を設立してくれて、APOTHIAの製品を日本に持ち込む手助けをしてくれました。これほど長い間、素晴らしい人たちと関わりを続けることができ、APOTHIAが日本でこれほど成功するのを見ることができたのは、言葉では言い尽くせないほど素晴らしいことです。

 

Q.フレグランスノートを選ぶ際に優先する重要な要素は何ですか?

 A.APOTHIAをつくり上げる上で、南カリフォルニアのライフスタイルが、インスピレーションの源となりました。この地域のライフスタイルがとても好きで、香り豊かな作品はその場所の多くを表現するのに役立っています。

オレンジの皮、オーガンジーの花、グレープフルーツ、柚子などの柑橘系の香りや、ジンジャーの面白い香りなど、活気があって気分を高揚させるような香りの原料を入れたり、美しい自然な香りとバランスを取ったり、エキゾチックなフローラルの香りと混ぜたりしています。ビーチで感じる潮風の香りをブレンドしたりもします。

ディフューザーのパッケージには、ロサンゼルスのライフスタイルを感じられる写真が採用されている。

 

Q.ブランド独自の香りを生み出すために、どのような工夫をしていますか?

 A.私にとって、APOTHIAのために特別なものをつくることは、革新性と独自性がすべてです。私たちのクリエーションは慎重にブレンドされ、一音一音に方向性があるわけではありません。 私は達成された結果が大好きなので、フレグランス財団の “インテリア・セント・オブ・ザ・イヤー “のような名誉ある賞を、受賞できたことをとても嬉しく思っています。

 

Q.APOTHIAの製品を通してユーザーにどのようなメッセージや魅力を伝えたいとお考えですか?

A.2000年にアメリカで誕生し、2007年に日本に上陸してからの間、私たちは一貫して「フレグランスは個性的でユニークな体験である」という信念を提唱してきました。

人はそれぞれ独自の感覚や感情を持っており、香りの世界に入り込み、思い出を作り、自分らしい楽しみ方をする権利があると私たちは確信しています。
私たちは、今後もブランド・フレグランスを通じて自分らしさを表現したいと願うお客さまの探求心を応援していきたいと思っています。

 

 

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